フランス ボルドースペリュール 赤 750ml
2011年の次は2012年をジャンプして2013年。ただし2013年は短期間。そして2014年です。
インポーターさん資料
葡萄品種はメルロ85%、カルムネール10%、プティベルド5%。栽培面積10ha、年間生産量5,500ケース。1年間使用したフレンチオークのバリック(小樽)にて平均18か月熟成。葡萄はボルドー右岸のラランド・ポムロール村に隣接する粘土質のエリアで栽培されています
変わり無しです(笑)。
2014年はアルコール分が13%。しっかり上がってますね(笑)。2010年代順前半では2010年に継ぐ良い年。ワイン自体の大きさが一回り大きい感じがします。もっとも安定したワインを作り続けるシャトーですから突飛な変化はありませんが(笑)。
ワインにわりと余裕があり、伸び代を感じる出来映え。基本収穫量が50ヘクトリットルを切りますから、ワインの品質は安定してますね(笑)。味わい香りも基本同じなのですが、膨らみをより感じるヴィンテージです。こんなワインがレストランのハウス・ワインだと嬉しい(笑)。料理も美味しいはず(笑)。
そうそう。このシャトーダマーズの良さって何?良く考えると栽培や収穫量などはもちろんなのですが、プレス果汁の影響を感じないことです。ボルドーでは基本プレス果汁を加えてワイン作りをします。プレス果汁を加えることで渋みが増しワインに重厚さを与えます。ブルゴーニュのようにプレス果汁を使わないスタイルと比べればご納得いくかと(笑)。特に格安のボルドーはプレス果汁の渋さが目立ちます。(大きな声では言えない(笑)。)
ダマーズの良さはプレス果汁の渋さが目立たないことです!雑な感じがしません。この2014年ヴィンテージを飲みながら、はっと気がつきました。いつも何となく美味しく飲める良さってそこにあるような気がしました(笑)。
以下、2011年販売時の記述。
ここ数年相続でバタバタし、ちょっと心配だったミラード社。でも大丈夫のようです(笑)。
2011年は今飲んでみて実に旨い!
ダマーズらしいラズベリーやブラムの果実味が、滑らかで質感のあるタンニンと素晴らしいバランス。
とっても長い熟成能力がある一方、飲みやすくて本来の良さを満喫する前に通り過ぎてしまいがちなダマーズ(笑)。
困難な2011年ヴィンテージにあってこの出来映えはさすが!
●シャトー・ダマーズ2008年 テイスティングリポート
シャトー・ダマーズ2008年はどうやらスタイルが変わってきたようです。
まずアルコール分は13%。2007は12.5%でしたから、一般に言われているように2007年より2008年の方が糖度は上がったようです。収量が低かったのが幸いしたようですね。
あとシャトー・ダマーズは輸入当初はメルロ100%ということでしたが、畑の葡萄をD.N.A.鑑定したところカヌムネールが10%植わっていたそうです。見た目では解らないほどメルロに似ているのですね。あとプチ・ヴェルドを若干植えたことにより、現在はメルロ85%、カヌムネール10%、プチ・ヴェルド5%となっているそうです。基本的には変わらないですね。
でも、味わいはかなり変わっています。
なんと言っても果実味の明瞭さ!
右岸らしくラズベリーを軸に赤い果実が華やかに。タンニンが全面に出るいままでのスタイルとは趣を異にします。
果実、香木、スパイシーさ、甘味、旨味のバランスがとても良いのです。
ダマーズってこんなに飲み易かった?
かと言ってアントゥル・ドゥー・メールみたいな軽さ単純さとは別物。
うーん?
醸しが短くなっているようですね。あと低温でプレ・マセラシオンもしているような…。
兄弟シャトーのリオナのエノゴロにジャン・リュック・コロンボがついた影響ですかね?
いままでのような大量のタンニンありきのクラシックなスタイルとは変わってきています。ただ収穫量を増やしたりズルはしてませんから(笑)、味わいの重みから、厚み旨味を重視する新しいスタイルを目指しているのかも知れません。
本来のポテンシャルの高さを生かしながら、イノヴェーションしています。
詳細はインポーターさんに問い合わせてみます。
以下、2007年のテイスティング記録です。
つねに安定した品質のシャトーですが、2007年はやはり苦戦したようです。今までの中で一番軽い出来です。とはいえ、それでもダマースらしさはしっかり感じますから、その力量はさすがと言うべき。逆に、香りの開きは早いですから、今すぐ飲んでベストの選択でもあります。メルロ由来のブラム系の味わいは柔らかく心地良く、ココアやカレーパウダーの香りが複雑さを上手く演出しています。ダマースらしい堅牢さは表に出ませんが、味わいのバランスを裏支えしています。ミドルボディーの典型とも言える出来です。
2007年のダマースはアルコール分は12.5%ありますが、20年位前でしたら充分なレベルです。温暖化が進んだ昨今ボルドーでも13%のアルコール分を越えることが当たり前のようになり、ワインのマッチョ化が進みました(笑)。そう考えると、この2007年のダマースは20年以上前のエレガントなボルドー・スタイル。でしゃばる部分がないのです。ミラード社の歴史を感じる出来栄えなのです。決して無理をせず、葡萄のポテンシャルを最大限引き出しそれを最適なスタイルに仕上げています。しかもダマースらしさを残しています。
うーん。
他の2007年のボルドーと比べるとミラード社の技術の高さを実感できますよ(笑)。桝久が扱う数少ない2007年ボルドーなのです。
個人的には1987年のボルドーを2007年に重ねてしまいますが、技術の進歩も同時に感じます。全体的にそつなくサラッと造っていますから(笑)。
以下、2006年のテイスティング記録です。
やはり2006年も実に良く出来ています。
2005年と比べると小ぶりですが、独特の緻密さがあります。さすがミラード社!
2006年の右岸は収穫期に雨が降り、腐敗病があった年。多くの生産者は減産とワインの糖度不足に悩まされたようです。ダマースも2006年は2005年ほどの大きさはありません。どちらかというと2002年に似た印象があります。ただ、タンニンが弱くなった分グリセリンの甘さが先にでますから、すぐに美味しさが分かるスタイルです。また、果実味に明瞭さが増して感じられます。そしてミラード伝統の緻密さ故、翌日にワインはさらに向上し、柔らかさと明るさが引き立ちます。メルロの味わいが暗くなりがちな土地柄にあっては出色の出来。
うーん。
その年の作柄に合わせてスタイルを微調整する技量は、さすが!
良さを最大限発揮させながら、独自のスタイルを貫くのは伝統以外のなにものでもありません。
ただのネゴシアンではないですね。
以下、2005年のテイスティング記録を参考までに掲載しておきます。
2005年のボルドーはどれ飲んでも外れがないと言われるビッグ ヴィンテージ。 味わいはさすが!
2004年と比べると更なる進化をしたかのようです。一回り大きい感があります。
とはいえもう少し飲むまでには間を置いてあげたい気もします。痛し痒しの出来の良さです。
澱と酒石酸の量は驚くほどの量。いつも通りにゆっくり時間をかけてトコトン抽出したのですね。(いままでで一番の量です)(当店ではシャトーダマーズが日本に初めて輸入されてからずっと扱っております。
もともとが出来の良いワインなのですが、毎年のように品質が向上しています。悪い収穫年ですらそれを感じさせないのです。
※写真はイメージ