フランス ボルドー サンジュリアン 第3級格付け 赤 750ml
ランゴア・バルトンご存知ですか?
ワイン本にはシャトー レオヴィル・バルトンの姉妹的ワインなどと解説されています。
解ったようで解らない(笑)。
レオヴィル・バルトンとランゴア・バルトンの所有者は同じで、同じ醸造場で造られています。150年間所有し続けるのは名門バルトン家。ボルドー・グラン・ヴァンの格付け前からの所有者です。
また、ランゴア・バルトンはもともとレオヴィル・バルトンに近接して畑を何箇所か持っていました。ですからレオヴィル・バルトンがランゴア・バルトンを買収して全て吸収したのが実態なのです。ちなみに今の2ndワインは共通のレディ・ランゴアです。
ランゴア・バルトンのブランド名だけ残ったということのようです。
一緒に生産した方が生産効率は良く、販売面でもランゴア・バルトンを名乗るより高く売れるからです。ボルドーでもオープン・シークレットだったようです。格付け前からの名門所有者ですから誰も文句を言えませんか(笑)。
まあ、今3つに分かれているレオヴィル・ポアフィレ、ラスカーズ、バルトンにしても、もともと一つの葡萄園だった訳ですから、不思議な話ではありませんね。
実際インポーターさんの試飲会でいくつか同じヴィンテージのバルトンとランゴアを飲み比べましたが、やはり同じ物でした。
そうなるとランゴアの価格に注目です(笑)。何たってバルトンの半額以下!名前がランゴア・バルトンでも中身はレオヴィル・バルトンなんですから。名前が違うだけで価格は半額以下なのです。
ボルドーのワインビジネスの一面を見た思いですね(笑)。
ところでこのランゴア・バルトン1994年は目茶苦茶クラシック。30年以上の熟成能力はありそうです。液体に詰まっている物の分量が物凄いのです。まだ、飲むには早くてもったいないですね。ボルドーのグラン・ヴァンの中で最もクラシックな造りのレオヴィル・バルトンらしいワインです。似たスタイルのワインと言うとマスキュー取り扱いのシャトー・セルガンですね。ラランド・ポムロールにあり驚異的な熟成能力を持つワインです。
ポアフィレは軽く、ラスカーズは今風、バルトンはクラシック。あなたはどれに価値を見出だしますか?
レオヴィル・バルトンを飲んで騙されたと思うか、ランゴア・バルトンを飲んで得をしたと思うか。はたまた両方飲んで納得するか。飲み手の価値観も様々です。
ここらへんにグラン・ヴァンがグラン・ヴァンたる所以があるのでしょうか?