なっなんとシャトー・デュックのシルヴィエンヌ2009年が再入荷しました!
このシルヴィエンヌは今は亡き奥様シルヴィエンヌさんにちなんで造られたキュヴェ。残念ながら奥様は亡くなり、今は息子さんに委譲しているところ。もちろんワインのスタイルも新たなチャレンジを行っているようです。
そんな中、もう以前の物は飲めないと思っていたところ、なっなんと、2009年のシルヴィエンヌが再入荷!
全房発酵しながらもエレガントで飲みやすいこのシルヴィエンヌは、いかにも忘れ形見。マスキューの在庫も尽き、このワインの将来を見届けることなく終わってしまうかと、残念に思っていました。
ところがまた出てきた(笑)!
すぐにサンプルを取り寄せ試飲したところ、やはり良い。私の目は間違いなかった(笑)!
4日間かけてティスティングしましたが、古い酸化したニュアンスは全く感じられず、広がり・膨らみ・果実のディテイル共々エレガント。熟成を経て良くなっていました。まだまだ行きますね。あと5年後に一度、そして10年後にもう一度飲めればもっとワインのことが解るかも(笑)。
2009年のアルコール分は13% となっています。ちなみに看板のグラン・レゼルヴ2009年は14%とシルヴィエンヌより1%高くなっています。この違いは目指す方向性の差なのです。優美なエレガンスを目指すシルヴィエンヌと自然のパワーを最大限引き出そうとするグラン・レゼルヴ。この対比も面白いです。
いずれにせよシルヴィエンヌはシャトー・デュックの最上級銘柄ですから、マスキューもファーストリリースから追いかけざるを得ません(笑)。
実に深くてエレガントなグレート・ワインなのです。ローヌ・ヴィラージュの頂点なのです。
当店のロングセラーワイン、そして私の敬愛するシャトー・デュックの最上級キュヴェです。
愛妻家のベルナールさんらしく最上級品には奥さんシルヴィエンヌの名前がついています(笑)。
見習わなくては?
このワインはグルナッシュ60%、シラー30%、ムールヴェドル10%の割合でつくられています。
グルナッシュの比率が高いので、すぐに飲んでも楽しめますが、10年後にも、それ以上にも楽しめるワインです。
ワインの凝縮感、スケール、複雑味、奥行き、すべてにおいてすばぬけているます。
まさにグレートワインです。
間違なくコート・デュ・ローヌのトップワインですね。
ただし本人は宣伝嫌いな芸術家(実際彼は絵描きなのです。)ですから、無理なビジネスをしませんのでまだ値段が安い(笑)。
自分のライフスタイルを貫いた、唯我独尊のワインです。ワインに人となりが反映しています。
このワインほんとに凄いんですよ!
ラベルの素敵な絵はもちろん自身の筆になるものです。(収穫期の素描だけでも価値あり!)
2010年のテイスティング記録は次の通り。
2010年のシルヴィエンヌは今までの中で一番糖度が上がったようです。ローヌ最良と言われた2007年ですら13.5%でしたから、スケールは桁外れ。なんと14.5%。もともとシルヴィエンヌは糖度を無理に上げないスタイルなのですが、自然に上がってしまったようですね(笑)。2006年のファースト・リリース以来一番恵まれたヴィンテージであることは間違いありませんね。
デュックも息子さんがワイン造りをするようになりスタイルが変わってきました。どちらかと言うとより今風になってきました。より解りやすく飲みやすくですか。
そんな中変わらないのが『シルヴィエンヌ』(笑)。やはり母の力は偉大(笑)。お父さんが最愛のお母さんシルヴィエンヌにちなんで造ったワインですから、姿を変えられない(笑)。
デュックのラインナップの中で全房醗酵するのはこのシルヴィエンヌだけとなったようです。
うーん。
時代の流れには逆らえませんか。
全房醗酵ワイン大好きな私には希望の灯なのです(笑)。タニックで解りにくいんですけれども…。
10年くらい経ってようやく飲み頃に入るのかな?
好奇心と覚悟のある方にだけお薦めします(笑)。