ワインの知識
ジェランソンはフランスとスペイン国境近く、ピネレー山脈の麓の白ワインのアペラシオン。大西洋に注ぐポー川の南側にアペラシオンはあります。背中にピネレー山脈を背負って北西に面しますが、浸蝕された段丘が連なるため日当たりの良い斜面も多くあるようです。 ドメーヌ・コアペはポーの町から2〜3km北西のネストルにあります。標高は高いところで400mほどのジェランソンの西部の高台。いかにも、ピネレー山脈の麓の里山です。 土壌はブールベンヌと言う硅土質で水捌けの良い土壌。気候は、海洋性気候とピネレー山脈の影響により、秋に乾燥する気候が特徴です。遅摘みに適しています。 ドメーヌ・コアペは1980年にアンリ・ラモントーさんが設立。酪農、果物、小麦、トウモロコシなどを栽培するプリミティブな農家に生まれ育ったラモントーさん。もちろん葡萄も栽培していましたが、いわゆるワイン専業農家ではありません。 なんとアルコール換算で20度を上回ることも! ところで、ジェランソンが甘口白ワインでアペラシオンを取得したのが1936年と古く、1975年にはジェランソン・セックそして1996年にはヴァンダンジュ・タルディヴのA.O.C.を取得しています。ドメーヌ・コアペの登場とジェランソンの辛口白ワインの生産の躍進が重なっているところ興味深いですね。 現在ドメーヌコアペは43ヘクタールの地所を有します。個人経営のドメーヌとしてはジェランソン随一の規模。15名ほどのスタッフで切り盛りする効率の良さ。ドメーヌというより、ニューワールドの葡萄園経営ですね。 畑は山の斜面に、陽光に沿うように葡萄樹の畝が続きます。これだけでも壮観! 密植された葡萄樹はV字型に高く仕立てられ完璧なキャノピーマネジメント。枝を高く伸ばすことで陽光をたっぷり浴びさせています(写真下)。ニュージーランドやアルゼンチンといったニューワールドの畑みたいですね(笑)。葡萄樹の畝が幾重もの壁のようで、まさに壮観です。ただニューワールドのような平地ではありません。機械の入らない斜面の畑でこの様は信じられません!実際ワインの畑の面積も葡萄園の地所の半分くらいかと。 1本の葡萄樹には15房ほどの葡萄の房、3割くらいはグリーンハーベストで落としているようです。防鳥ネットもしっかり張っています。 うーん。 手の入れようは半端ないですね。 ところでドメーヌ・コアペは、手のかかるプティ・マンサンを軸に、甘口ワインから辛口のジェランソン・セックに生産の中心を移していますね。甘口白ワインの生産量は絞っています。ラモントーさんの戦略が見えます(笑)。ワインの販売本数を伸ばしたいようですね。ただし、質を落とさないところが凄いのです。 現在ドメーヌ・コアペのジェランソン・セックのラインナップは4種類。 プティ・マンサン100%が最上級の『ラ・カノペ』。アルコール分は16%近く、辛口としては限界ですね。 このラインナップでお気づきでしょうが、プティ・マンサンの量と質でキュヴェをランク分けしています。 ラモントーさんは、品質を落とさず、しかもビジネスとしても成り立たせる手腕・力量ともに傑出しています。 凄い人がいました! ※本文掲載の映像はコアペのホームページから許可を得て転載しました。 >> ワインの辞典topへ |
│店主紹介│地図と住所│桝久にメール│特定商取引(送料等) │チーズ │ブログ│カゴの中身 │
(C)Copyright 2005-2012 by 株式会社桝久商店 & フクモト・ロジスティック・システム