ワイン専門店マスキュー
現在のカゴの中身の確認桝久ワインのブログマスユー特定商取引表記桝久商店に連絡ワインのマスキュー、所在地ワイン好きの店主ワインのメールマガジンワインの知識ワインの桝久商店HOMEワイン リスト
 

ワインの知識・ワイン辞典

 日本のワイン文化今昔−20年前と現在 

今から20年ほど前、私共がワインに取り組みはじめた頃は、

 「和食にワインは合わない」
 「日本にワインは定着しない」 

などとまだワインアレルギーが一般的で、ワインを飲む人も売る人もまだ少数派でした。

ドイツの白ワイン ドラーテン ターフェルを飲んで感動したものでした。(まだマドンナが広がる前の話です。)このワインのフレッシュで甘露な果実味に感動し、なんとかワインを売ってみたいと思ったのが私共がワインに取り組む始まりでした。

ところが同時に赤ワインを飲んでみて「こんな渋いものが売れるのか?」「これを好きになれるのか?」などと赤ワインにかなりの違和感を持っていたのが懐かしく思えます。実際にはその後おいしい赤ワインを飲んでみて、その甘美な味わいにはまってしまった訳です。

当時ワインに対するイメージは、

「フランス人は脂っこい食事をするから、その脂を流すために赤ワインを飲んでいる。」
「ヨーロッパは水が悪いから、水がわりにワインを飲んでいる。」

などなど、実際には異国の文化に触れることが有為であり、まだまだワインを楽しむというレベルではなかった気がします。

私はワインを販売することを業にしたいと願い、取り組んでいましたが、そこに違和感を感じていました。

「ワインのおいしさって?」
「食事をする時いっしょにワインを飲むと更に食事がおいしくなる?」

に疑問すら抱いていました。

食事といっしょに飲む。これが問題だったのです。我々日本人の飲食習慣は

「口の中に入っている時に口をあけてはいけない(食事中おしゃべりするな!)。

口の中の食べものが外から見えることはタブーとして教育されました。ましてや、食物が口の中に入っている状態でワインを口の中に流しいれて、そのまま口中で「くちゃくちゃ」混ぜることなど下品の極みです。

お茶漬けや丼物などのようにMixされた状態で提供される食物はありますが、口の中につぎつぎ放り込みMixするような習慣は非とされます。

実際、お寿司屋さんで刺身などをつまみとして食べる時、ビールや日本酒を飲んでいる自分を思いおこしてください。わさび醤油をつけた刺身が咀嚼され、のどを通り抜け刺身が口の中にない状態で酒なりビールなりを飲んでいることに気がつきます。

ビールはのどごしで味わい、酒はそのものの旨みを楽しんでいるのです。

その刺身自体の旨みとマッチして更に相方の旨みが増すような状態とは決してなりません。

たとえばミモレットチーズやパルメザンチーズのブロックを薄く切って口の中で溶かしてみてください。そしてそれらが口の中で溶けて半分残っている状態になったら、ほんの少し赤ワインを口の中に流しいれてください。そしてゆっくり口の中で味わってみてください。必ずワインの素晴らしさが実感できます。

「ドーン」と広がる味わいは衝撃的であり、世界が広がる思いです。この経験をすればもうあなたはワイン ラヴァーとなり人生の楽しみが増すこと請け合いなしです。

ソムリエの田崎真也さんが言うところの「ワインはソースのようなもの」。この言葉が食物とワインの関係を端的に表しています。

◆日本独特のワイン スタイル

ただ日本人が日本人たるところなのですが、そのもの自体、すなわちワイン自体を追求し楽しむスタイルを日本独特のワイン スタイルとして挙げることができます。

たとえば今、夜の街でバーにはいったところ、ワインを置いてない店はほとんどありません。20〜30年前には考えられなかったことです。

私事で恐縮ですが、横浜関内でバー、タウザーの経営に関わってから10年程度経ちましたが、お客様のワインに対する考えが大きく変わってきています。

バーにご来店して下さるお客様はだいたいが二軒目か三軒目であり、当然ながら食事は既に終わっています。もちろん酔ってもいますが、もう少し場所を変えて飲みたい方がほとんどです。普通なら、ウィスキーやブランデーなどのハードリカーかカクテルなどを2〜3杯飲んで連れと語り合うか、バーテンダーと談笑するシチュエーションです。こうした状態でワインを注文される方がかなり増えてきています。ワイン自体の味を楽しみながら話をつまみに楽しむスタイルが定着しています。つまみはチーズがあれば十分、好みのワインがあれば良いのです。

本来食中酒であるワインが食後酒として扱われているところが独自のスタイルと言えましょう。

逆に言えば本来食後酒であるウィスキーや焼酎などのハードリカーを食中酒としても消費しているところも独自のスタイルなのです。

欧米人のように大量の食物を食べ大量のワインを飲むことは日本人にとって体力的には無理ですし、ワインそのものを楽しむことが国民性にも合っているのですね。それ故選ばれるワインもカリフォルニア ワインに代表される濃く味わいのはっきりしたものが好まれる傾向にあります。ある意味、特殊なマーケットと言えます。ワインが主となり食が従になる状態を楽しんでいる訳です。ここでのつまみはワインの引き立て役であり、空腹を満たすものではありません。それ故、ワイン自体の旨みがしっかりしてないといけません。ある意味、本末転倒と考えられなくもないですが、ワインもそれ自体で楽しめるレベルのものが多く輸入されるようになった昨今、日本人の味覚の素晴らしさが作用していると思います。

>> ワイン辞典トップへ


ワインのマスキューHOMEワインリストワインの知識(ワイン事典・ワイン辞典)メールマガジン

店主紹介地図と住所桝久にメール特定商取引(送料等)チーズブログカゴの中身

(C)Copyright 2005-2012 by 株式会社桝久商店 & フクモト・ロジスティック・システム