『エポス』2009年 フラスカーティ スペリュールＤ.Ｏ.Ｃ.
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マルヴァジアの魔術師ポッジョ・レ・ヴェルピが造る渾身のフラスカーティです。どうでも良いワインが目立つフラスカーティに「渾身の」と言っても説得力がないなどと思うべからず（笑）！
トロピカルフルーツを強く感じる濃厚で複雑な香りが、違和感の全くない調和をしています。佇まいは、まさにスーパー・エレガンス。上品の極みなのです。ここで考えてみると、ポッジョ・レ・ヴォルピのスタンダード・キュヴェ『フラスカーティ・スペリュール・セッコ』は特別上品とは言えませんね（笑）。どちらかといえば香りで飲み手を圧倒するスタイルです。ただあのスタイルを突き抜けたところで、究極の上品さにたどり着く矛盾があるのです。 このワイン、セパージュはマルヴァジア・ディ・カンティア50％、マルヴァジア・デル・ラツィオ40％、トレビアーノ10％。選りすぐった葡萄を遅摘みし、4000Ｌのオークの大樽で40日間発酵させます。その後1年ほど寝かせ瓶詰出荷されます。兄弟分の『ドンナルーチェ』と比べると貯蔵期間が長いのが特徴的です。この辺が複雑な香りのミソかも知れません。（もっとも設計図からして両者は違いますが。） 伝統的な遅摘み甘口ワイン「カンネリーノ」の主原料マルヴァジア・ディ・カンティアをメインにフラスカーティのポテンシャルを遍く引き出し世に知らしめた到達点とも言えるワインなのです。 『ドンナルーチェ』を自由で衒いのない弟とするなら、『エポス』は道を真っ直ぐに進む兄といったところですか（笑）。どちらも凄いのです。 |
