このドメーヌは2002年よりロワールのモンルイに設立されました。
ソーモンさんは自然農法で知られる醸造家の元でワイン造りを学び、自身のワイン造りも自然農法で化学肥料などは一切使いません。
もちろん様々な工夫を凝らしながら、SO2の添加も最小限に押さえた自然なスタイルのワインをつくっています。
現在モンルイ・シュール・ロワールに6ヘクタールほどの畑を所有しています。
このロゼの発泡性ワインはいわゆる瓶内1次発酵によるものです。
これは1次発酵途中のワインを瓶詰し瓶の中で完全に発酵させることでつくられています。シャンパーニュと比べると工程が原始的な為メソッド・ルーラル(田舎造り)と呼ばれます。ブランケット・ド・リムーなどが有名です。
ガスを得るだけならこの方法は安直ではあるのですが、品質の安定性に欠けるため今ではあまり使われない造り方と言えます。
ところがソーモンさんは目の付け所が違いました。前年つくって置いたワイン(セニエでつくったロゼワイン)に新しい造りかけの赤ワインを混ぜることで製品化したのです。それゆえ酵母やリキュールの添加一切なしのスパーリングワインとして世に送り出されました。
新たな発想と類い稀な研究心がなければ有り得ません。瓶詰前のアッサンブラージュ時にかなり高度な管理技術が要求されるはずです。(ガス圧もしっかり3.5気圧あります。)
ただこのアペラシオンはシェナン・ブランによる白ワインだけですから、このワインはノン・ヴィンテージのヴァン・ド・ターブルの表示となります。
そうでした肝心の味わいですが、アルコール分が13パーセントあることが示すようにコクがありガメイとカベルネ・フラン種のフローラルな香りは程よくフレッシュです。
フレッシュでいて背筋の通った品があります。
完全な辛口でありながらしっかりとした自然の旨味に驚きがあります。ミネラル感があるスパーリングワインは簡単にはできませんから。
うーん。
いままで経験したことがないスタイルなのです。恐るべしドメーヌ・フランツ・ソーモン!
ちなみに澱がたくさん入っていますが、味の内ですから良く混ぜて御飲み下さい。(取り除くことは不可能ですから(笑))
>> フランス ワインのラベルの読み方
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