ワイン専門店マスキュー
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ワインの知識・ワイン辞典

 シャンパンあれこれ シャンパンの歴史-その2

ドン・ペリニョンの死後フランス革命までシャンパンは、宮廷貴族の享楽には欠かせない必需品となったようです。

フランスでは摂政のフィリップ・オルレアンは、ベルサイユ宮殿から離れたパリの中心にあるパレ・ロワイヤルで夜ごと酒池肉林の宴会を行っていました。
自分の情婦たちを集め(自身の娘ベリー公爵夫人もメンバーだというのですからビックリ。昔、観たフランス映画「8人の女たち」でも実の娘が愛人でした。フランスはそういう伝統があるのですかね?)シャンパンのコルク栓飛ばし(ソート・ブション)を楽しんだり、シャンパーニュのもたらす酔いにひたりながら、情欲にまみれたらしいです。
まだ日本のホストクラブの方が健全に見えるほどですね。

同じ頃イギリスでは、良家の子息たちも、娼婦の靴にシャンパンを注いで飲み干したり、享楽の道具としてシャンパンは活躍したらしいです。
まあ、イギリスの方が日本のホストクラブに近い(笑)?
ともあれ、泡の出るシャンパーニュはかなり高価な物でした。
しかし、ほとんどがガスがなかったり、虫が生じていてダメであったり、貯蔵庫の中で破裂したり大変だったらしいです。なんでも貯蔵庫に入るには鉄マスクをつけて瓶の破裂に備えたようです。

ここまでするとは!

それでも、10分の1位の確率でラッキーにも旨いシャンパンに当った人は一生シャンパンの虜になったのでした。(他の事に生き甲斐が見出だせなかったんですかね?)王侯、貴族の楽しみだったと簡単に片付けられないほどの価値を、シャンパンに見出だしていたのですね。
それが魔性の力をもった神聖な象徴であったのでしょうか?
爛熟期の宮廷文化だからこそ高価でありながらも広く、泡の立つ発泡性のワインが受入れられたのでしょう。
(まあ、今の時代に生まれ良かったです。だって美味しいシャンパンを普通に楽しめますからね。)

もちろん発泡性のワインはシャンパーニュにとどまらずあちこちでつくられていました。
なかでは、ロマネ・コンティのスパーリングまでつくられました。
それも、シャブリと混ぜたというから恐れ入ります。(絶対に飲みたくない!)
まあ、それほどまで流行していたのですね。
逆に言えば、造り手(売り手)にとって発泡性のワインはダイヤモンドか金のような物だったのでしょう。
その希少性から、大量に生産できれば、巨万の富を手にすることが可能だった訳ですから。

また、シャンパンにとっては重要な瓶の強度は、イギリス式の高温炉が導入される1730年頃になってようやく強く安定し、その後の王令でコルクや針金で縛ることが規格化されました。
こうして量産化の道がだんだんと出来つつありました。
実質的な量産化は革命後の資本家やブルジョワ層の出現を待たなくてはなりませんが。

それから一つ面白い話があります。
シャンパンを飲む時に「クープ」と呼ばれる脚のついた浅いグラスがあります。
シャンパンタワーをつくる時に使われますね。
あの「クープ」じつはマリー・アントワネットの胸をモデルにしたという伝説があります!
シャンパングラスとは関係ないのですが、セーヴル陶器工場がヴェルサイユ近郊のランブイエ城のクイーンズ・デアリー小聖堂の装飾用にマリー・アントワネットをモデルにした胸の鋳型をつくり白い4つの精密な碗形のものをつくっています。(燭台ですかね?)
ただ現存するものは1つだけらしいですが。
これはワイングラスではありませんが、当時の享楽的習俗を考えると、まんざらウソとは思えない節があります。
さすがフランス!

社団法人 日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
岡本 利秋


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